柔道整復師とは?
皆さんは『柔道整復師』という言葉を聞いたことがありますか?柔道整復師とは専門の国家資格を持ち、骨折や捻挫や、体の不調を治療する方々のことです。柔道整復師は整骨院や接骨院だけではなく、整形外科や福祉施設などの様々な施設で活躍しています。本記事ではそんな働き方が多様な柔道整復師について、それぞれの働き方の特徴や、メリット&デメリットについて解説していきます。柔道整復師に興味がある方は是非参考にしてみてください。
柔道整復師の働き方には様々な選択肢がある
冒頭でもお話したように、柔道整復師の働き方には様々な選択肢があります。もともと整骨院だけでなく、整形外科などでも活躍していた柔道整復師ですが、2000年から運動機能に障害のある方へのリハビリ指導ができる『能訓練指導員』として働ける資格が付与されたことにより、さらに働き方の幅が広がりました。
柔道整復師の働き方の具体例
ここからは具体的に柔道整復師の働き方について、特徴やメリット&デメリットを紹介していきます。
整骨院や接骨院で働く場合
柔道整復師の働き方として最も多いと考えられるのが、整骨院や接骨院のスタッフとして働くやり方です。雇用形態には正社員やアルバイト、派遣社員など様々なものがあります。学校を出て国家資格をとった後、新卒・転職で入社するという流れが一般的です。正社員の平均年収は300万~400万円とされていますが、ベテランの柔道整復師になると600万~700万円程の収入も見込めるといいます。アルバイトや派遣社員になると、平均時給は900円~1500円程度です。
メリット・デメリット
整骨院や接骨院で働くメリットとしては、これまで学んできた知識がしっかりと活かせることや、柔道整復師としての経験や実績がつめることです。また、仕事の内容も一貫しているため1つのことを突き詰めていきたいという方には非常におすすめです。逆にデメリットとしては、仕事の自由度が少なく新しいことにどんどんチャレンジしたい方には向いていないことや、若手の給料が上がりにくいといった点があります。
1日のスケジュールの例
整骨院や接骨院で働く場合に考えられる1日のスケジュールは以下の通りです。整骨院や接骨院は他の働き方に比べて勤務時間が長いといった特徴があります。
9:00 | 出勤・清掃・朝礼 |
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12:30 | 1日の予定の確認・午前の受付開始 |
13:00 | 往診 |
14:30 | 昼休み |
15:30 | 午後の受付開始 |
19:00 | 午後の受付終了 |
19:30 | 清掃・片付け |
20:00 | 勉強会 |
21:30 | 退勤 |
整形外科で働く場合
柔道整復師は骨折・脱臼・打撲などの怪我に対して、医師以外で唯一治療を行うことができる資格です。そのため整形外科などの医療機関で活躍している柔道整復師の方も多いです。整形外科ではこういった骨折などの治療やリハビリの治療をする機会が多くなります。また一緒に働く方々も、医師や理学療法士などの様々な医療知識に通じた方々なので、幅広い知識や経験を身に着けることが出来ます。また病院で働くため他の働き方より安定した収入を得られるといった特徴もあります。
メリット・デメリット
整形外科などの医療機関で働くメリットとして、幅広い知識が身につくことや、骨折や脱臼といった症状への治療や経験が多くつめること、また安定した収入が得られるといったことがあります。デメリットには勤務体系にシフト制が多く、勤務時間にばらつきがあることや、柔道整復師の人数が少ない点などがあります。
1日のスケジュールの例
整形外科などの医療機関で働く場合に考えられる1日のスケジュールは以下の通りです。
8:30 | 出勤・清掃・朝礼 |
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8:45 | 医師・看護師・医療スタッフと施術の打ち合わせ |
9:00 | 午前の受付開始(リハビリ指導・電気施術など) |
12:30 | 午前の受付終了 |
13:00 | 昼休み |
14:00 | 勉強会・院内の見回り |
14:30 | 午後の受付開始(リハビリ指導・電気施術など) |
18:00 | 午後の受付終了 |
18:30 | 残務整理 |
19:00 | 退勤 |
スポーツトレーナーとして働く場合
柔道整復師はテーピング技術や応急処置などの知識・経験を活かしてスポーツトレーナーなどのスポーツの現場で働いている方もいます。怪我の応急処置などはもちろんのこと、日々のトレーニングメニューを作ったり体作りのサポートまで行う場合もあります。
メリット・デメリット
スポーツの現場で働くメリットとしては、選手を自身の技術や経験でサポートすることでスポーツに関われることや、活躍次第で大幅な年収アップが見込める点などがあります。デメリットについては、柔道整復師として働く分には必要のない様々な知識や技術が必要になってくることが挙げられます。
1日のスケジュールの例
スポーツトレーナーとしてスポーツの現場で働く場合、決まったスケジュールというのは殆どないと考えてよいでしょう。サポートする選手の体調やけがの具合、大会のスケジュールなどに合わせて常に万全のサポートを出来ることが大切です。また専属トレーナーになると、怪我や治療のサポートだけではなくトレーニングの指導や健康管理まで行う場合があるため、勉強の時間や選手の生活に合わせたスケジュールを組む必要があります。
介護福祉施設で働く場合
デイサービスなどとして介護福祉施設で働く場合、柔道整復師の知識や経験が活かせる機能訓練だけではなく、食事や入浴などのサポートまで行います。ただし主な役割は『機能訓練指導員』としてリハビリ運動の手助けをすることや、手技療法、物理療法などの施術を行うことです。介護福祉施設で働く場合は、活動内容が多岐にわたっているといった特徴があります。また5年以上機能訓練指導員として働くと『ケアマネージャー』試験の受験資格が得られることも、その他の働き方にはない特徴です。勤務時間は整骨院や整形外科で働くよりも短い傾向にあるとされています。
メリット・デメリット
デイサービスなどとして介護福祉施設で働く場合のメリットとして、ケアマネージャーなどが目指せる点や、柔道整復師以外の様々な知識が身につくこと、勤務時間が他の働き方よりも短いといった点が挙げられます。デメリットとしては、柔道整復師の知識や経験を活かせる業務ばかりではなく、入浴や食事のサポートといった業務まで求められる点があります。また利用者の送迎などもする場合があるので、そういった場合には普通自動車免許が必要な点や、運転が苦手な方には難しいといった点も挙げられます。
1日のスケジュールの例
デイサービスなどとして介護福祉施設で働く場合に考えられる1日のスケジュールは以下の通りです。
8:15 | 出勤・トレーニング内容の確認 |
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8:30 | 利用者の送迎 |
9:00 | バイタルチェック・入浴(女性) |
10:00 | 機能訓練 |
11:00 | レクリエーション活動(歩行訓練など) |
12:00 | 昼食 |
13:00 | 入浴(男性) |
14:00 | 作業的活動(手芸・園芸・折り紙など) |
15:00 | ティータイム |
16:00 | グループ体操 |
16:30 | バイタルチェック |
17:30 | 退勤 |
14:00 | 作業的活動(手芸・園芸・折り紙など) |
開業という選択も
これまでに紹介した働き方に加え、柔道整復師には独立・開業する方もいます。柔道整復師は独立・開業が認められている資格なので、開業する場合には各業務で経験を積んでから開業するパターンが多いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。柔道整復師には様々な働き方があることがわかりました。また、同じ柔道整復師でもどこでどういった働き方をするかによって、身につく知識や経験が大きく変わってきます。数々の選択肢があるからこそ、将来のキャリアを見据えた選択が必要になりますね。本記事が皆様の参考になれば幸いです。